自覚症状が現れにくい性病(クラミジア感染症など)に注意

一昔前までは「性病」という名称で知られていた性感染症(STD:Sexually Transmitted Disease)は、性行為(オーラル・アナル等を介する行為も含む)により感染する疾患の総称で、パートナーの感染歴、不適切な治療などが原因で知らない間に感染させてしまいます。

風邪に似た症状も多い

淋菌感染症、梅毒、性器クラミジア感染症、性器カンジダ症などの性感染症は、症状が現れない「無症候感染」も少なくありませんが、男性は女性よりも性病の症状が強く現れる傾向にあります。

そのため男性は性器あるいはその周囲の痛み、かゆみ、違和感などの症状で異変に気がついて医療機関を受診する機会がありますが、自覚症状に乏しい女性の受診機会は少なくなっています。その結果、炎症が進行して感染を拡大させることになるのです。

以前は、梅毒を代表として局所症状が強く現れる性感染症が多かったのですが、現在はクラミジア、淋菌、性器ヘルペスなどは自覚症状が少なく感染に気がつきにくいものが中心となっています。なかでもクラミジアは患者が感染に気付かず無治療のままセックスを行うことが多いため、感染患者数は多くなっており、性病の患者のうち男性では45%、女性では60%がクラミジアに感染しています。

性器クラミジア感染症、淋菌などの患者を年代別に見ると、男性では20代後半〜30代前半、女性では20代前半となっています。若い女性に性病が広がっている背景には、性風俗の多様化、性行為の低年齢化が顕著になっていること、またオーラルセックスなどの性行為の多様化により、従来の性器から性器への感染ではなく、咽頭への感染が拡がっていることが挙げられます。

若年女性の感染は不妊、子宮頸がん、母子感染などの重大な障害につながる可能性があり、早期の治療が必要ですが、本人が治療してもパートナーが未治療であれば再度感染する恐れがあるため、患者とパートナーの双方が医療機関で性病の検査と治療を受けることが不可欠となります。

コンドームは避妊具として重要ですが、なによりも性病の予防に対して非常に重要です。淋菌を例として挙げると、コンドーム無しの1回のセックスで淋菌に感染する確率は30%もあるとされています。コンドームはオーラルセックスを含め、粘膜接触の最初から着用しなければなりません。